親との問題 生き方 社会問題
一ノ瀬かおる 福田旭
ぼくが3歳のとき、父は他界。 母は神仏やご先祖様の声がきこえる人で 困っている人の相談に乗っていたけど、 家はずっと貧乏だった。
親族間の面倒事の話し合いをするのはぼく。 “家のこと”のために林間学校も修学旅行も不参加。
そして―― 15歳のとき母が倒れ、17歳から本格的な介護が始まった。
ぼくの世界は全て家の中。
あのとき、ぼくが過ごしていた時間は母のための時間だった。 ぼくもまわりも気付かないまま――。